3D都市モデルの整備・活用支援
昨今の人口減少や都市と地方の格差拡大など、今までの取組で解決が困難な課題が増加しています。そこで国は、まちづくりを含むあらゆる分野でデジタル技術を活用し、地域や社会の課題を解決するデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進しています。
まちづくりDXの取組の一環として、国土交通省は令和2年度にProject PLATEAU(プラトー)をスタートさせました。令和4年度までに全国約100都市で3Dモデルが整備され、今後はさらに整備や利活用する自治体が増えると考えられます。

3D都市モデルとは
3D都市モデルとは、幾何形状(ジオメトリモデル)に、建物・壁・屋根等の定義や、用途・構造・築年・災害リスク等の情報を付加したものです。また、3D都市モデルは詳細度に応じて、複数段階(LOD/右図)で構成されており、ユースケース(利用目的)に応じて、整備レベルを決定します。
3D都市モデルの整備に当たっては、自治体が保有する既存資料を収集するほか、国が示す最新の「標準製品仕様書」および「標準作業手順書」をもとに、整備レベル(LOD)、ユースケースに応じて、必要な情報を作成します。
3D都市モデルのLOD概念(国土交通省PLATEAU HPより)
PLATEAU [プラトー] | 国土交通省が主導する、日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化プロジェクト (mlit.go.jp)
大都市圏整備:都市空間情報デジタル基盤構築支援事業(PLATEAU補助制度)ポータル - 国土交通省 (mlit.go.jp)
3D都市モデルのユースケース
3D都市モデルに都市空間における多様な情報を集約、あるいはこれらを重ね合わせることにより、二次元では十分に行えなかった都市に関する情報の一覧化や都市構造の立体的把握が可能になります。
これにより、行政業務の効率化・高度化だけでなく、物流や不動産などの民間企業の価値創造も期待できます。LOD1,LOD2の整備イメージとユースケース
一般的にLOD1・LOD2は、都市計画基本図、空中写真測量を用いて整備したのち、都市計画基礎調査データや浸水想定ハザードマップデータなどを重ね合わせます。
建築物の高さと用途や種類、洪水浸水深を解析することで、緊急時の垂直避難可能な建築物を表現したり、開発許可申請等の情報を3D都市モデルと重ねて表示することができます。
3D都市モデル(LOD1・LOD2)
LOD3の整備イメージとユースケース
LOD3は、MMSや NavVis VLX 、地上レーザーなどの機器により精緻な3次元計測を実施したのち、建築物、道路、都市設備、植生とモデルデータを整備します。
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった仮想空間での活用のほか、観光分野、イベントのPR、都市開発など様々な用途にご利用いただけます。