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保安林解除のエキスパート 保安林解除のエキスパート

測量

群馬営業所勤務保安林解除のエキスパート

2004年入社

趣味:ガーデニング、サイクリング、ダムカード蒐集(ダムマニア)

2004年入社 / 趣味:ガーデニング、サイクリング、ダムカード蒐集(ダムマニア)

職務経歴

  • 国有林野境界測量および境界検測
  • 国有林野貸付申請書作成
  • 保安林解除申請書作成
  • 保安林内土地形質変更許可申請書作成
  • 国有林野所管換申請書作成
  • 物件調査【国有林野立木調査】
  • 基準点測量
  • 地形測量

ナカノ人生ハイライト

まえがき

国の計画発表から68年を経て完成したダムがある。

群馬県長野原町に建設された「八ッ場ダム」。
多目的で総合的なダムであり、治水・利水・発電の観点からみてもベーシックなダムといえる。

前職で初めてこのダム建設に携わり、当社に転職後、完成まで見届けた従業員がいる。
 個人的にもダム好きな彼を紹介しよう。

ナカノアイシステムとの出会い

福島県と新潟県に跨る奥只見ダムが完成したその年、彼は群馬県に生まれた。

その頃の八ッ場ダムといえば、既に建設調査に着手していたという。
今年還暦を迎えた彼の年齢を考えると、八ッ場ダム建設が容易ではなかったことが分かるだろう。

社会人として選んだ初めての道は土建業で、5年ほど現場代理人として施工管理を経験した。
しかしその経験が測量技術力の無さを痛感することとなり、その力をつけるべく測量への道を探し出す。

ナカノアイシステムとの出会いだ。

地方公共団体の業務が多く、国業務の経験者がまだまだ少なかった弊社の中で、前職の経験から国業務を任せられることが多かった。
彼は「むしろ地方公共団体のことが分からなかったからよかったよ」と言うが、「誰もできないことができる」という彼ならではの強みはこの頃からあったようだ。

八ッ場ダムに携わって・・・

初めて携わったのが前職の平成7年。
Windows95が発売された年でもあり、GPS観測には少々手古摺ったことを思い出しながら話し始めてくれた。

水没に伴う住民の代替地の用地測量や各種申請書の作成に関わりながら、住民の複雑な心の内や、使命感を持ちダム建設を進める担当者の立場や心中、その両者の思いを長年近くで感じてきた。

また、見たこともない建設機械や工法を目の当たりにし、土地が変わっていく様子も見続けた。
関係機関がとても多かったため、これまで以上の決断力とスピードを求められていると感じ、確実に業務が遂行できるよう、これまでの経験をもとに具体的な資料作成や密な連絡を強く意識したことが記憶に残る。

天候が変わりやすい山間地で雷に怯え、慣れない新潟の雪に振り回され、熊やイノシシ・山猿の洗礼を受け、蜂との長い付き合いを約束させられた。
地元の変化を見続けてきたこと、業務で頭を悩ませたこと、これらの全てが八ッ場ダムへの情に厚みを持たせていったのだろう。

完成まで残り3~4年となった頃、関東地方整備局から会社と彼自身が表彰を受けることになった。
「地元の受益を受けるものとしては、完成までの力添えができて感慨深かった」と当時を振り返る。

令和元年6月、ダム本体のコンクリート打設は完了し、同年10月に試験湛水が始まった。
3、4カ月かけて満水にし、堤体や貯水池周辺の安全を確認する想定だったが、10月中旬の台風19号の影響で、2.3日後には常時満水位に到達してしまった。 試験湛水としては想定外の状況を迎えることになったのだが、無事、治水施設の役割を果たせたことを確認でき、地元住民を含む関係者の間に安堵感が広がったことが忘れられない。 安全性確認のため、12月からは最低水位を維持し、試験湛水は令和2年3月9日終了した。

令和2年3月、ついに八ッ場ダムが完成したのだ。

人柄

山の現場では特に生き生きとし、誰よりも速く山を駆け巡る。
しかし、その大好きな山で彼の代名詞ともいえる「笑顔」が消えて本気で叱ることもあるようだ。
山がいかに危険で、少しの気の緩みで大きな事故にもなり得ることを知っているからだろう。

しかし「叱り」は後に引きずらない絶妙な終わり方をする。
その彼の本気が部下(後輩)たちに伝わり、その結果信頼感や尊敬の念が強くなっていくのだと言う。
部下を持つ立場になったその者も、「本気の叱り方」を引き継いでいるのだと感じた。

彼は、自身のことを止まると息絶えるマグロだと表現したことがあった。
仕事のみならず、プライベートでも動き続けているらしい。
自宅のガーデニングから趣味のサイクリングまで、時間ができるとやりたかったことに取り掛かる。

年中小麦色の肌を維持できるのも納得した。
仕事とプライベートのバランスのとり方について聞いたところ、体を動かし疲れさせて眠ることが大事だと教えられた。

単純なことが重要。

ところが、仕事とプライベートのバランスがとれなくなる日が訪れた。
きっかけはまさに「ダム」。
業務でダムと出会い、業務のためにダムを学んだ。
全てはお客様に満足していただける成果品作りと、地元への貢献のはずだった。

ダムを知れば知るほど、そのダムの目的、仕様、工法に興味がわき、特別な情が芽生えたのだろう。
業務を業務で終わらせることなく興味の的にしてしまうのは彼の得意とするところで、趣味の一つにダムカード蒐集が加わることさえも自然の流れだったのかもしれない。

彼と話すと元気になる。元気が出る。
話しやすさや雑談力が高いだけではない。
業務知識や経験の豊富さだけでもない。
相手の呼吸に合わせ、誰でも分け隔てなく心をオープンに向き合っているのだ。
人を大事にしているのが伝わってくる。
豪快で繊細。

こんなに柔軟な還暦に、我々も負けてはいられない!
そんな気分になって力が湧いてくるのかもしれない。

 

悔しいけれど、彼は今日もアップグレード中だ。

あとがき

令和2年5月初旬のよく晴れたある日の八ッ場ダム。
そこにいたのは、ナカノアイシステムの顔ではなく、桜の世話をし、桜のいのちを守る桜守の顔をした彼だった。
「あまり頻繁に行くことはできないけど、今後も関わっていきたいんだよね...」と、桜守の認定書を照れくさそうに見せてくれた。

100年企業に向けて

「NAISなヒト」からのメッセージ

測量調査が多様化、高度化していく中においてもなお「選ばれる企業」となること。

その根底にあるのはやはりコミュニケーションだと考えています。
社員との日々の連携で人材や機材をいかに活用できるかを常に把握しておくことで、お客様へ最善な方法をご提案することができているのです。

ナカノアイシステムは、時代とともに変化していく要求事項に対して、
これからも最新の技術とご満足いただけるサービスでお応えしてまいります。